新年は、多くの企業にとってビジネスチャンスを広げる絶好の機会です。 特に、初売りは一年で最も購買意欲が高まる時期であり、その年の売上を大きく左右する重要なイベントと言えます。
一方で、ただ単にセールやキャンペーンを実施するだけでは、十分な成果を上げることは難しいでしょう。
本記事では、初売りセールの広告やチラシの作成方法について紹介します。広告に記載する基本的な内容や媒体の選定、広告を配布するタイミング、役立つ素材の探し方などを解説するので、初売りセールの企画を考えている人はぜひ読んでみてください。
目次
初売り広告について
初売りは、企業にとって1年の売上を左右すると言っても過言ではありません。ここでは初売りの概要や歴史、目的について解説します。
初売りとは?
初売りとは、年が明けてから最初に物を売り出すことです。その日に買い物することを「初買い」と言います。初売りには、お正月に買い物をすることで、縁起を担ぎ、良い年を迎えるといった意味が込められています。
初売りの歴史
初売りの歴史は長く、戦国時代までさかのぼります。1584年に伊達政宗が父親の輝宗から家督を譲られた際、伊達家の正月行事が記された『正月仕置之事』を与えられました。その中に、1月2日に買い初め(初買い)をすることが書かれていました。
日本では昔から、1月2日は「事始め(ことはじめ)」と言い、新年を迎えて初めての「事」を行うのに縁起の良い日とされています。上記の内容から、400年以上前に1月2日に初売りが行われていたことが推測できます。これが現在でも行われている伝統行事「仙台初売り」の起源です。
時代が進むにつれ、初売りの開始時期は元旦や1月4日からなど店舗によってさまざまになりました。形態も店舗だけではなく、インターネットを通じた初売りも行われるようになっています。
初売りの文化は時代に伴い変化していますが、年始の幸運を祈る行事としての意義は変わらず残っています。
初売り広告の目的
初売り広告の目的は、主に以下の3点です。
・売上の促進
・新規顧客の獲得
・ブランドの認知向上
年末年始は休みを取る消費者が多いため、買い物をする人が増えます。大勢の消費者が買い物をするため、企業は新規顧客を獲得するチャンスです。
また、初売りは消費者のエンゲージメントを高め、企業のビジョンや想いを顧客に伝えられる機会とも言えます。顧客のエンゲージメントが高まれば、ブランドに対する共感や信頼を獲得していくことが可能です。
初売り広告は、年間を通じてビジネスの成功基盤を築く上でも重要な役割を担います。
初売り広告、チラシを作るときの基本
初売りを成功させるためには、消費者にとって効果的な初売り広告やチラシを作る必要があります。ここでは、初売り広告やチラシを作るときの基本について解説します。
ターゲット設定
初売り広告やチラシを作る際、特定のターゲットにどのようにアプローチするのかを考え、設定することが大切です。ターゲットを絞り込むことで、より効果的な広告展開が可能になります。
初売り広告のターゲットを絞り込むために、まずは基本的な属性を設定しましょう。基本的な属性とは以下のような項目です。
・年齢
・性別
・居住地
・職業
・所得
・家族構成
・興味
・関心事項
例えば、家族向けの初売り広告であれば、おもちゃや子供服などのセール情報だけではなく、家族で楽しめるテーマパークの割引クーポンなどを掲載することで、購買意欲が高まります。
できるだけ詳細に基本属性を設定し、ターゲットの顔が思い浮かぶくらいのイメージを持つことが重要です。
メッセージの明確化
初売り広告では、事前にターゲットに伝えたいメッセージを明確にする必要があります。初売り広告では商品情報やセール情報を伝えるだけでなく、ターゲットが「何を知りたいのか」「何に心が動くか」を想像しなければなりません。
ターゲットは、初売りで「お得な買い物がしたい」「新年の始まりに何か良いものを手に入れたい」という気持ちを抱いています。このような心理を踏まえて購入のメリットを伝え、ターゲットに「買いたい!」と思わせることで、購買率アップに繋がります。
媒体と配布タイミングの選定
初売り広告やチラシを作るときは、ターゲットに届く最適な媒体を選びましょう。以下、媒体の特徴やスケジュール例です。
・折込広告
配布地域や場所、年齢層を絞ったターゲティングが可能。新聞に折り込まれて配布されるため、信頼性が高い。
12月上旬:新聞社への広告掲載申し込み
12月下旬:新聞折込
・DM・ポスティング
ターゲット層へダイレクトに訴求が可能。クーポンや割引券を同封することで、来店・購買意欲を高める。
11月:顧客リストの整理、デザイン作成、印刷会社への依頼
12月上旬~中旬:発送、配布
・チラシ
実店舗への集客に効果的。クーポンや地図などを掲載することで、来店を促進できる。
11月下旬~12月上旬:デザイン作成、印刷会社への依頼
12月中旬~下旬:新聞折込やポスティングでの配布
初売り広告は、セールの1〜2週間前に広告やチラシを配布するのが効果的です。早すぎず遅すぎず、適切なタイミングを選びましょう。
初売り広告を作る際のポイント
初売り広告を成功させるには、戦略的な広告展開を行うことが重要です。ここでは、成功事例やデザインのポイント、キャッチコピーの作り方について解説します。
成功事例
初売り広告を作る際は、実際の事例を知っておくことで自社で取り入れる際、イメージしやすいでしょう。
例えば、アパレル業界では初売り広告内で大胆な割引率を書いたり福袋の中身を一部公開したりすることで、注目を集められます。また、小売業界では来店を促すために、「先着〇名様に福袋プレゼント」「来店ポイント〇倍」などを記載するのも効果的です。
業界によって戦略が異なるので、自社に合った初売り広告を打ち出しましょう。
デザインのポイント
初売り広告を成功させるためには、ターゲットが惹かれるデザインを心がけましょう。初売り広告のデザインは、タイトルやセール内容が一目で分かるように、余白を適切に活用することが大切です。
特別な割引やプレゼント、抽選会など初売りならではの特典がある場合は、目立つようにそれぞれの情報を配置しましょう。見出しには太めのフォントを、詳細には読みやすいフォントを使って、情報の優先度を明確にします。
色合いは赤や金などを使うことで、正月らしさを表せます。縁起物や新年らしい鏡餅や門などのイラストを取り入れることで、季節感が出るでしょう。
キャッチコピーの作り方
初売り広告ではキャッチコピーが重要です。一瞬で消費者の心を掴み、購買意欲を高めるためには、ターゲットに響く魅力的なキャッチコピーが欠かせません。
キャッチコピーを作成する上で必要となる要素は以下の項目です。
・割引率や開催期間などの具体的な数字
・「数量限定」や「期間限定」などの限定性
・新春らしさを感じさせる言葉
キャッチコピーでは、短く、シンプルにセールの特長を伝えるのが効果的です。購買意欲を刺激し、消費者の心を動かすキャッチコピーを作成しましょう。
初売り広告、チラシ、ポップを作るときに役立つ素材
初売り広告やチラシ、ポップ作成時に役立つ素材を探すときは、以下のサービスを利用するのがおすすめです。
・イラストAC
・PIXTA
・Adobe Stock
イラストAC
イラストACは、無料で利用できるイラスト素材サイトです。季節のイベントや人物、動物、フレームなどさまざまな種類のイラストを提供しています。ユーザーはAI、JPEG、PNG形式でイラストをダウンロードすることが可能です。
プレミアム会員に登録すると広告が非表示になるため、より多くの素材を無制限にダウンロードできる特典があります。
イラストACの素材は商用利用が可能ですが、利用禁止事項もあります。例えば、素材を主要なコンテンツとしての使用や、商品自体の価値を大きく変えての利用は禁止されています。
PIXTA
PIXTA(ピクスタ)は日本最大級のストックフォトサービスで、写真やイラスト、動画、音素材などを提供しています。2023年10月時点では素材点数約8,800万点を超え、プロ・アマチュア問わずクリエイターが登録し、素材を販売できるプラットフォームです。
一度購入した素材は、商用利用を含めて何度でも使用でき、追加料金が発生しません。そのため、企業は広告やWebサイト、プレゼン資料など多様な用途で活用できます。
また、PIXTAは日本の文化やシーンに特化した素材が揃っているため、初売り広告やチラシ、ポップを作るときに役立つ素材が充実しています。
Adobe Stock
Adobe Stockとは、アドビ株式会社が提供するストックフォトサービスで、2015年にサービスが開始されました。
Adobe Stockは、PhotoshopやIllustratorなどのAdobeのクリエイティブツールと連携できるのが強みです。これらのツールを使うユーザーは、アプリ内から直接素材を検索して購入や編集ができます。
また、Adobe Stockでは、広告やWebサイト、印刷物など多岐にわたる用途で利用できます。すべての素材で商用利用が可能でクレジット表記も不要なので、初めてのユーザーでも使いやすいでしょう。
素材を活用してターゲットが惹かれる初売り広告を作ろう
初売り広告は、ターゲットの心理を考えたキャッチコピーやセール内容を掲載し、正月らしさのデザインを取り入れることで、新年の売上に繋がります。
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