仮設プール設営前に知っておきたい水質の安全基準について
こんにちは、株式会社ワン・ステップです。
本日は、プール遊具のよくある質問・注意事項の第3回目として、『水質管理』についてご案内いたします。
今年は1週間~1か月半などプールの長期設置を検討されることが増えるかと思います。
初めて設置しようか検討してる場合や、コロナ前の前任者がいない場合など、ご参考になりますと幸いです。
水質の基準について
プールを設置する自治体によって、保健所に申請が必要な場合がございます。
自治体ごと、申請が必要な条件・プールの容量・申請期日が異なる為、ご確認をお願いします。
ネットで『保健所 プール 申請 ○○(自治体名)』など検索してみると、市のサイトに要綱や申請書類が掲載されていることもございます。
水質の条件や管理方法が指定されていることもあり、初めにチェック・問い合わせてみる事を推奨します。
※東京都福祉保健局の掲載例
水質管理方法について
申請する必要が無い場合などの水質管理について、参考例をご紹介いたします。
水質管理で重要なポイントが3つございます。
ポイント① 水質を定期的に測定する
ポイント② 水質状況によって、どう対処すべきか準備しておく
ポイント③ 濾過機を正しく活用する
正しく水質管理をしないと、
・藻や水アカが発生する
・プールの床や壁面がヌルヌルする
・ブドウ球菌、肺炎双球菌、大腸菌など、病気の原因となる菌が繁殖する
・・・等々、不衛生な状態になってしまいます。
ポイントを1つずつご紹介していきます。
ポイント① 水質を定期的に測定する
正しい測定方法について、厚生労働省の「遊泳用プールの衛生基準」では、以下のように定められています。
毎日1回以上は『残留塩素』を測らなければいけません。
計測方法は、DPD法で計測して、「プール内の対角線上におけるほぼ等間隔の位置3箇所以上の水面下20cm及び循環ろ過装置の取入口付近を原則取水する」とされています。
DPD法の測定器はネットで数千円~販売されています。
残留塩素を調整するためには、主に次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌール酸のいずれかの塩素剤をご利用ください。
残留塩素は0.4mg/L~1.0mg/Lが水質基準とされています。
残留塩素を測定してみて、数値次第では塩素剤を投入して0.4mg/L~1.0mg/Lになるようにしてください。
残留塩素は天候や、紫外線の強さで消耗速度が変わります。
真夏の屋外でご利用の場合、紫外線が強く、気温が高い日は1時間ごと計測することをお勧めします。
※暑い晴れの「プール日和」は特にこまめにチェック!
ポイント② 水質状況によって、どう対処すべきか準備しておく
残留塩素の他に、『pH』もpH5.8~8.6の範囲になるよう管理する必要があります。
pH7が中性です。pH7より高いほどアルカリ性となり、殺菌力が弱くなります。pH7より低いほど酸性となり、殺菌力が強くなります。
「殺菌したいから強い酸性が良い!」わけではなく、酸性が強くなると目が痛んだり、機器が腐食してしまいます。
計測してみて、
酸性に傾いている場合・・・炭酸ナトリウムで中和
アルカリ性に傾いている場合・・・硫酸水素ナトリウムで中和
して、pH5.8~8.6の間で保つようにお願いします。
プールが汚れている時や、残留塩素濃度が高い時にアルカリ性や酸性に傾くため、定期的な測定と残留塩素濃度の管理が大切です。
ポイント③ 濾過機を正しく活用する
濾過機は一般的に、『プール全部の水が1日5~6回は濾過機を通る』性能を選ぶ必要があります。
しかし、たくさんの人がプールに入ると、どうしても水が汚れてしまいます。
汚れが激しい時は、プールが休みの日や夜間など(もしくは最低でも1週間に1回)、プールの中に人がいない時に以下のことを行ってください。
step1 塩素剤を入れて残留塩素濃度を5~10mg/Lにする
step2 濾過機を一晩中運転させる
step3 プール使用前に残留塩素濃度を測定して、0.4mg/L~1.0mg/Lに調整する
身体の汚れを落とすシャワーや、ミニプールの設置なども水質管理に有効ですね。
真夏の屋外で水遊び用のプールを設置する場合、太陽光で水温が上がってしまいます。
水質を調整しつつ、定期的に水を入れ替えてご利用ください。
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全3回にわたって注意点をまとめました。
プールをお探しの方や企画でお困りの方はお気軽にご相談ください。